ChatGPTがサブレディットを名指しで検索、r/whatnotappが8件中6件の引用を獲得
ChatGPTが個別サブレディットを名指しで指定し3,650日の期間で取得、8件中6件を引用した観測。4日前の別クエリではReddit84件を取得して引用ゼロ。引用の有無はクエリ依存です。
結論
ChatGPTがサブレディットを名指しで検索し、r/whatnotappに8件中6件の引用を渡しました。Search Engine Journalに掲載された観測では、期間指定は3,650日、取得71件のうち48件がRedditでした。Redditの引用減はクエリ単位の現象で、遮断ではないという読み方になります。
何が観測されたのか
観測者が記録したChatGPTの検索行は fast|site:reddit.com/r/whatnotapp seller tips Whatnot live selling|3650|reddit.com です。ドメインの reddit.com ではなく、r/whatnotapp という単一コミュニティが指定されています。8月21日に公開された前回の観測では、指定はドメイン単位で期間は365日でした。
Figure
ChatGPTがr/whatnotappを引用するまで
- 1
クエリを受け取る
whatnot seller tips
- 2
検索行を自分で書く
site:reddit.com/r/whatnotapp、期間3,650日
- 3
71件を取得
うち48件がRedditのスレッド
- 4
8件を引用
6件がr/whatnotapp、1件はWhatnot公式ヘルプ
3,650日は約10年分のスレッドを対象にする指定です。回答内では、価値のある商品を1ドルから始めない、配信を娯楽として扱う、配信を事前に予定する、といった助言の横にRedditのチップが並びました。
Figure
r/whatnotappの取得と引用
3,650日
対象サブレディットに与えられた期間指定
約10年分のスレッド
68%
取得71件のうちRedditが占めた割合
48件
6/8
r/whatnotappに渡った引用数
残り1件はWhatnot公式ヘルプ
引用されるかはクエリ次第
同じアカウントで4日前に取られた記録は逆でした。「best ai live chat support software」では221件を取得し、うち84件がRedditでしたが、11件の引用にRedditは1件も入りませんでした。
Figure
4日違いの2クエリで引用の行き先が反転
whatnot seller tips
ニッチなマーケットプレイス
- 取得71件のうちRedditが48件
- 引用8件のうち6件がr/whatnotapp
- 実用知識が単一コミュニティに集中
best ai live chat support software
ベンダーカテゴリ
- 取得221件のうちRedditが84件
- 引用11件のうちRedditは0件
- 価格ページや比較サイトが同じ答えを競合
記事の著者は、両者を分けた要因は推測だと明示しています。フォーラムが最良の情報源であるクエリでは、フォーラムが引用を取るという整理です。取得は両方で動いており、差が出るのは取得の後の段階と考えられます。
Bing説とアクセス制限説の検証
Ryan Jones氏は、BingがRedditを通常の商用クエリで表示しなくなった点を指摘しました。記事の再検証では、6クエリのBingのHTML内に reddit.com が0回しか現れず、Googleは同じクエリのうち2つでRedditを2位に置いていました。一方でChatGPT側の取得プールの68%がRedditだったため、ChatGPTの検索結果はBingの結果と同一ではない、と結論づけています。
Jenny Halasz氏はRedditのアクセス制限を挙げました。検証では、公開されているRedditのrobots.txtは全員に Disallow: / で、緩い版は認証済みパートナーに配信されます。UAEの同一IPから1分以内に実施したテストでは、通常ブラウザとOAI-SearchBotが200、GPTBotとChatGPT-UserとGooglebotが403を返しました。
old.reddit.comのログイン壁も確認されましたが、取得プール内のRedditのURLはすべて www.reddit.com でした。加えて、その制限は約2年前から続く一方、引用減は3週間前の話です。時系列が合いません。
影響を受けるページ・クエリ
動くのは、ベンダーカテゴリの比較・選定クエリです。live chatの例では引用11件がRedditの外に出ており、価格・機能・導入事例のページが引用先の候補になります。日本のBtoB SaaSなら「チャットボット 比較」「勤怠管理 料金」のような、仕様と価格が答えになるクエリが該当します。
逆に、ニッチ商材の「出品のコツ」「使い方の失敗談」といった経験値のクエリでは、コミュニティ側が引用を取ります。日本のライブコマースやフリマアプリの出品者向けクエリは、この型に近いと考えられます。
影響が小さいのは、指名検索と、公式にしか存在しない一次情報のページです。法令・料金表・営業時間などは、そもそもフォーラムが競合になりません。なお今回の観測は英語クエリ4件・1アカウント・1週間の記録で、うち2件はRedditを取得せず、1件は検索自体が走っていません。日本語クエリでの検証はありません。
やること/やらなくていいこと
Figure
サブレディット名指し検索を受けての実務判断
やること
- 自社カテゴリの主要クエリをChatGPTで実行し、引用元の種類を記録する
- 価格・仕様・比較のページを、そのページ単体で答えが完結する形に書き直す
- 自社商材を扱うコミュニティのスレッドを検索し、事実誤認を公式アカウントで訂正する
やらなくていいこと
- Redditの引用減を理由に、サイト全体の施策を組み替える
- この件のためにrobots.txtやクローラー設定を変更する
- コミュニティに宣伝目的のスレッドを量産する
引用元の記録は、1カテゴリ10クエリ程度でも傾向が見えます。フォーラムが引用を取るカテゴリなのか、ベンダーページが取るカテゴリなのかで、投じる工数の置き場所が変わります。
robots.txtの変更は、今回の話が自社サイト側の設定に起因しないため不要です。検証で403を返したのはReddit側で、判定はIPレンジに対して行われていました。自社の Disallow を書き換えても、この現象には触れません。
コミュニティへの投稿量産も外して問題ありません。引用を取ったのは10年分のスレッドが積み上がった単一コミュニティで、短期の投稿で再現できる状態ではないと考えられます。
よくある質問
ChatGPTのRedditからの引用は減っているのですか
Search Engine Journalの観測では、Redditの引用比率が全体として下がる一方で、フォーラムが最良の情報源となるクエリではRedditが引用を取り続けています。実際に「whatnot seller tips」では8件の引用のうち6件がr/whatnotappのスレッドでした。減少はクエリ単位の現象で、Redditが遮断されたわけではありません。
ChatGPTの検索結果はBingの検索結果と同じですか
同じではないと、この観測は結論づけています。検証した6クエリのBingのHTMLには reddit.com が0回しか現れないのに、ChatGPT側では取得71件中48件がRedditのスレッドでした。BingにないものをChatGPTが取得している以上、両者は同一の情報源ではありません。
自社サイトのrobots.txtを見直す必要はありますか
今回の件を理由にした見直しは不要です。403を返したのはReddit側のサーバーで、判定はユーザーエージェント文字列ではなく公開クローラーのIPレンジに対して行われていました。自社サイトの設定を変えても、Redditの引用有無には影響しません。
Sources · 一次情報
関連記事
Trendos調査:AI回答1億700万件の引用元は業種で分かれる、共通はReddit
Search Engine Journal掲載のTrendos調査が、AI回答1億700万件の引用元を業種別に集計。IT・消費財・通信で自社サイトの効き方が変わり、Redditは全業種で上位という結果を整理します。
読む→RedditのChatGPT引用シェアが86%減、UGC頼みのGEO戦略が抱える引用元リスク
ChatGPT SearchでのReddit引用シェアが3.83%から0.52%へ急落しました。原因は特定されていません。Yahoo!知恵袋やnoteなど外部UGC経由の引用に頼る日本のメディア・D2Cが取るべき対策を整理します。
読む→WebMCPがShopify・Cloudflare・ChatGPTで稼働開始、サイト内の操作をAIエージェントに開放
Shopifyの全Liquidストアフロント、Cloudflareのエッジ、ChatGPTのSite toolsでWebMCPが実稼働へ。順位ではなく到達後の操作が対象で、日本のサイト運営者が今やるべき点を整理します。
読む→AI検索は認知負荷を消さず移しただけ──Duane Forresterが示す抽出後も意味が残る書き方
Search Engine Journalの論考をもとに、AI検索が利用者の作業を「検索」から「検証」に移した構造と、抽出されても意味が壊れない文の書き方を、日本のサイト運営者向けに整理します。
読む→