Semrush・AhrefsがAI可視性ツールを出した理由と、契約前に知っておくべき計測の限界
SemrushのAI Visibility Toolkit、AhrefsのBrand Radarなど、AI検索での「自社の表示率」を測るツールが相次いで登場。何が測れて何が測れないのか、検索側の視点で整理し、契約前に確認すべき点をまとめます。
結論
SEOツール大手が「AI検索で自社がどれだけ出ているか」を測る機能を相次いで出しました。Search ConsoleがAI OverviewやAI Modeの数値を分離して出さない以上、この空白を埋めるツールは必要です。ただし、どのツールも「AIに質問を投げて回答を記録する」方式なので、測れているのはあなたのサイトではなく「ツールが選んだ質問に対するAIの回答」です。契約前に、自社が決めた質問を追跡できるかを確認してください。
各社が出したもの
| ツール | 対象AI | 特徴 | 価格 |
|---|---|---|---|
| Semrush AI Visibility Toolkit | ChatGPT、Google AI、Gemini、Perplexity | カスタムプロンプト25件を日次追跡、競合比較、サイトのAIレディネス診断 | $99/月・1ドメイン(年払い) |
| Ahrefs Brand Radar | ChatGPT、Gemini、Perplexity ほか | 月間1億9,000万件の検索由来プロンプトDB、2026年1月にカスタムプロンプト追跡を追加 | Ahrefsプランに含まれる |
Ahrefsは2025年11月6日にBrand Radarを公開し、2026年1月21日にカスタムAIプロンプト追跡を発表しました。Brand Radarの「1億9,000万件超」は合成した質問ではなく検索由来のプロンプトで、Ahrefsの1,100億キーワードのデータベースから作られたものだと同社は説明しています。
日本でも、ChatGPT・Gemini・AI Overviewでの引用を日本語UIで計測するサービスや、登録不要の無料チェックツールが出ています。機能の方向性は海外大手と同じです。
影響を受けるページ・クエリ
影響が出るのは、AI Overviewが出やすい情報収集クエリです。Google 検索セントラルは、AI機能に表示されたサイトも「Search Console の全検索トラフィックに反映されます」と書いています。AI経由かどうかを分離できないため、表示回数だけ増えてクリックが伸びないクエリが該当します。
「Search Console の全検索トラフィックに反映されます」
指名検索やコンバージョン直前のクエリは、この乖離が出にくい部分です。ここが崩れていないかを先に見ると、ツールを契約すべきかを判断できます。
ツール側で追うべきなのは、順位ではなく「自社が答えに出てほしい質問」です。ツールが用意した質問リストのままでは、自社の商材と関係ないクエリを測ることになります。
何が測れて、何が測れないか
測れるもの
- ツールが用意した質問群(または自社で登録した質問)に対して、AIの回答に自社名・自社URLが出た割合
- 同じ質問群での競合の言及率との比較
- 回答内で自社がどう説明されているか(肯定的か否定的か)
測れないもの
- 実際のユーザーが投げた質問への回答。ツールは自社サーバーからAIに質問を投げています。ログインユーザーの履歴や位置情報で変わるパーソナライズされた回答は再現できません。
- 回答の再現性。同じ質問でも回答は毎回揺れます。日次で「言及率が30%から22%に落ちた」と出ても、施策の結果ではなく揺れの範囲であることが珍しくありません。
- AI回答経由の流入。AIの回答に出たことと、そこからサイトに来たことは別です。流入は自社のアクセス解析でリファラーを見るしかありません。
Ahrefsが「検索由来のプロンプト」を強調し、Semrushが「カスタムプロンプト」を前面に出しているのは、ツールが勝手に選んだ質問では信用されないことを各社が分かっているからです。
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AI可視性ツールで測れるもの・測れないものの違い
測れるもの
- 質問群に対してAIの回答に自社名・自社URLが出た割合
- 同じ質問群での競合の言及率との比較
- 回答内で自社が肯定的か否定的に説明されているか
測れないもの
- 実際のユーザーが投げた質問への回答(パーソナライズは再現できない)
- 回答の再現性(同じ質問でも毎回揺れる)
- AI回答経由の実際の流入(自社のアクセス解析で見るしかない)
日本のサイトでの例
BtoBのSaaSを例にします。「勤怠管理 クラウド 比較」のような質問をPerplexityに投げると、回答に載る製品名はせいぜい5〜8個です。この枠に入っているかどうかは、従来の検索順位よりも結果がはっきりしています。
やるべきことは、ツール契約の前に、営業が実際に聞かれる質問を10個書き出すことです。「勤怠管理 クラウド 比較」ではなく「30人規模の建設業で使える勤怠管理は」のような質問です。これをChatGPT・Perplexity・GoogleのAI Modeに手動で投げ、スプレッドシートに記録するだけで、どのツールを試すべきかの判断材料になります。
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ツール契約前に自前でやる4ステップ
- 1
営業が実際に聞かれる質問を10個書き出す
「勤怠管理 クラウド 比較」ではなく「30人規模の建設業で使える勤怠管理は」の形にする
- 2
ChatGPT・Perplexity・AI Modeに手動で投げる
同じ質問を同じ条件で投げる
- 3
回答に自社名・自社URLが出たかをスプレッドシートに記録する
- 4
自社の質問を登録できるツールだけを試す
日次ではなく週次の移動平均で見られることも条件にする
やること/やらなくていいこと
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AI可視性ツールの契約前にやること・やらなくていいこと
やること
- Search Consoleで直近3か月の表示回数とクリック率の乖離を見る
- 自社が決めた質問10個を手動で記録する
- ツールは自社の質問を登録でき、週次の移動平均で見られることを条件に試す
やらなくていいこと
- 言及率スコアの日次の上下に反応して記事を書き換える
- 「AI可視性スコアを上げる」こと自体を目的にする
- AI向けの専用ページやファイルを作る
補足します。Search Consoleの数字はAI機能の分が合算されている前提で見てください。表示が増えてクリックが減っていれば、AI回答に引用されている可能性が高いサインです。手動で記録した質問10個は、有料ツールを評価する基準になります。日次の言及率は施策の効果より回答の揺れの方が大きく、スコアはツールが選んだ質問の集計であって売上との関係はまだ誰も示せていません。AI向けの専用ページやファイルについても、Googleは公式に「AI用のテキストファイルやマークアップは不要」と書いています。
よくある質問
Search ConsoleでAI Overviewの数字を見る方法はありますか?
ありません。Google公式ドキュメントの記載どおり、AI OverviewとAI Modeの表示・クリックは通常の「ウェブ」検索タイプに合算されます。2026年8月時点で分離するフィルタは提供されていません。
無料のチェックツールで十分ですか?
「今、自社が出ているか」を1回確認するだけなら十分です。継続して追う場合は、同じ質問を同じ条件で定期的に投げる仕組みが要るため、有料ツールか自前のスクリプトが必要になります。
順位計測ツールは要らなくなりますか?
要ります。AI回答の引用元の多くは通常検索で上位のページなので、順位が落ちればAIでの言及も落ちます。AI可視性は順位の「代わり」ではなく「上に載る指標」です。
Sources · 一次情報
この記事は一次情報をもとに作成し、公開前に自動検査を通しています。作成の手順と訂正の方針は運営者情報に記載しています。
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