GoogleがGenerative UIをAI Overviewに拡大、計算機・シミュレータ型ページの役割が検索結果内へ移る
GoogleはAI Modeで提供していたGenerative UIをAI Overviewにも展開。回答内に計算機や比較表を生成するため、ローン計算や年収シミュレータ型のページが競合します。公式発表と研究論文の事実、影響を受けるページ、日本のサイトでの対処を整理します。
結論
Googleは2026年8月19日、AI Modeで提供していたGenerative UIをAI Overviewにも展開し始めました。検索結果の回答内に計算機や可視化ツールがその場で生成されるため、公式の計算式だけで動くツールページは役割を奪われます。GEO(AIO・LLMOとも呼ばれます)の観点では、ツールの裏にある独自データをページに露出することが対処の中心になります。
発表の事実
Google公式ブログによると、Generative UIはAI Modeで英語圏に全世界展開済みです。同じ8月19日付でAI Overviewへの展開も始まったと記載されています。現時点では英語のみで、他言語への対応は数週間以内に予定されています。
公式の例は「ph scale」という検索です。AI Overview内にpHスケールの対話型ビジュアルが生成されます。続けてAI Modeで「柑橘類をpHスケール上に並べて」と頼むと、より具体的なツールが作られます。
時系列は次の通りです。2025年11月にGemini 3とともにAI Modeへ登場し、2026年5月のI/Oで夏に無料で全員に開放すると予告されました。Search Engine Journalは、すでに住宅ローン計算機もAI Mode内で生成されていると伝えています。
Google Researchの解説では、Gemini 3 ProがHTML/CSS/JavaScriptを生成してブラウザで描画します。画像生成や検索などのツール、システム指示、後処理の3要素で構成されています。生成に1分以上かかる点と、たまに誤りが出る点は研究課題として明記されています。
Search Engine Journalの2本目の記事は、影響を受けやすいツールを列挙しています。住宅ローン計算機、単位換算、BMI計算、支払い計算、学習シミュレーション、練習問題などです。逆に、非公開データ、ログインが必要な処理、外部連携に依存するツールは置き換えにくいとしています。
Figure
生成UIに置き換えられやすいツール・置き換えにくいツール
置き換えられやすい
公式の計算式だけで動く
- 住宅ローン計算機、単位換算、BMI計算、支払い計算
- 学習シミュレーション、練習問題
置き換えにくい
そのサイトにしかない処理
- 非公開データを使うツール
- ログインが必要な処理
- 外部連携に依存するツール
同記事はGoogleの論文の数字も引用しています。主要プロンプトでの比較では、生成UIが上位検索結果に90%の割合で勝ちました。情報探索系の質問では73.5%対19%です。AI Overviewの月間利用者は25億人を超えています。
Figure
生成UIと上位検索結果の勝率比較
主要プロンプトで生成UIが上位検索結果に勝った割合
90%
情報探索系の質問での生成UIの勝率
73.5%
情報探索系の質問での上位検索結果の勝率
19%
影響を受けるページ・クエリ
直撃するのは、公式の計算式だけで動くツールページです。ローン計算、税額計算、単位変換、年収シミュレータが該当します。同じ計算が回答内でその場で生成されるため、ページを開く理由が消えます。
「専門家が作ったサイトが最上位、生成UIがそれに僅差で続く」
残るのは、計算の裏に独自データを持つページです。論文でも専門家が作ったサイトが最上位と書かれています。自社の実績値・分布・条件別の相場を持っているかが分かれ目です。
クエリでは「◯◯ 計算」「◯◯ シミュレーション」が先に動きます。該当ページの流入を、展開が始まった2026年8月19日の前後で比べてください。
日本のサイトでの例
金融サイトの「住宅ローン返済シミュレータ」は、元利均等の計算式が公開情報です。AI Overviewが金利と期間を入力させる計算機を生成すれば、ページに来る理由が消えます。残るのは「自社の実際の承認金利の分布」「年代別の借入額の実績」などの独自データです。
不動産ポータルの「引越し見積もり」も同様です。距離と荷物量から概算する式は誰でも作れます。一方、「3月第4週の実際の成約単価」「地域別の繁忙期の価格倍率」はそのポータルにしかありません。
転職サイトの「年収シミュレータ」は、業種・年齢・経験から年収を推定します。推定式だけなら生成UIに置き換わります。しかし「職種別の実際のオファー年収の中央値」「転職前後の年収変化の分布」は登録者データから出る独自情報です。
BtoB SaaSの「ROI計算機」も影響を受けます。工数削減の掛け算は生成できますが、「導入企業の平均削減率」の実測値は生成できません。
やること/やらなくていいこと
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ツールページを持つサイトがやること・やらなくていいこと
やること
- ツールページを「公式式のみ」「独自データあり」の2種類に仕分けする
- 独自データを本文と表で露出する
- 表には「実績値」「集計期間」「母数」を書く
- Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートで、ツールページのクエリを四半期追う
- 公式式のみのツールは、独自データの表示面として作り直す
やらなくていいこと
- 計算機のUIを作り込む
- 計算機の種類を増やす
- ツールページをJavaScriptで隠す
- 英語圏の動向を理由に今すぐ全ページを改修する
補足します。入力しないと見えない値は、AIにも読者にも見えません。出所が明記された数字は引用されやすくなります。操作性では生成UIと競えず、公式式のツールを10個並べても防御になりません。ツールページをJavaScriptで隠すと、独自データまで見えなくなります。日本語展開は数週間後とされており、仕分けを先に終えれば間に合います。
よくある質問
日本語の検索でも生成UIは出ますか
公式ブログは「他言語は数週間以内」としています。日本語の具体的な開始日は示されていません。英語で先に挙動を確認し、日本語展開前に仕分けを終えるのが現実的です。
生成UIの中に出典リンクは付きますか
Search Engine Journalの記事は、生成UIに出典が付くかどうかは不明だとしています。論文でもUIは「一時的」で保存されないとされています。出典表示を前提にせず、独自データを本文テキストで露出する方が確実です。
どのクエリで生成UIが出るかは分かりますか
Googleはトリガーとなるクエリの種類を公表していません。Search Consoleの新しいレポートも、通常のAI Overviewと生成UIを区別しません。ツールページ単位で表示回数とクリック数の変化を追うしかありません。
Sources · 一次情報
- Google Expands Generative UI Beyond AI Mode Into AI Overviews(Search Engine Journal)
- Google's Generated Interfaces Could Compete With Tool Pages(Search Engine Journal)
- How Google Search, Lens, AI Mode can help you study(Google公式ブログ)
- Generative UI: A rich, custom, visual interactive user experience for any prompt(Google Research)
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