結論
ChatGPTに同じカテゴリ(SEO・GEOツール)の質問を、条件を足しながら投げました。モデルが検索する前にクエリへ書き込む候補ブランドを、2日間ぶん取り出して比べています。
条件が増えるたびに、候補が入れ替わっていました。
| 質問 | 候補に入ったブランド |
|---|---|
| 無条件 | Ahrefs / Semrush / Google Search Console / Screaming Frog |
| +「個人ブログでも使える」 | Google Search Console / Ahrefs Webmaster Tools(無料版) / Ubersuggest / Google Trends / ラッコキーワード |
| +「月1万円以内・日本語対応・個人事業主向け」 | ラッコキーワード / Nobilista / GMO順位チェッカー |
無条件と3条件のあいだで、共通するブランドは1つもありませんでした。 SemrushとScreaming Frogは条件1つで消え、Ahrefsは有料の本体から無料版に置き換わり、最後にGoogle Search Consoleまで落ちて国産だけが残っています。
日をまたいでもう一度取ると、入れ替わった質問と、1つも動かなかった質問に分かれました。
これは2日間・5つの質問・1アカウントの記録です。「こう動くものだ」ではなく、「この条件でこう動いた」という観測として読んでください。
Figure
5つの質問を2日間、同じ条件で実行した結果
0
無条件と3条件で共通するブランド
1つも重ならない
3/5
が日をまたいでも候補が完全一致
いずれも英語圏の成熟カテゴリ
2/5
は候補が入れ替わった
GEOと、条件の多い日本語の質問
何を見たのか
ChatGPTは質問を受け取ると、自分で検索クエリを組み立てます。その中身が会話JSONに残ります。この記事が見ているのは、モデルが1本目のクエリに書いたブランド名です。
ユーザーは一度もブランド名を出していないのに、モデルは検索する前に製品名をクエリへ書き込みます。この挙動は以前の記事で扱った海外の調査と同じもので、今回は自分のログで確認しています。
条件は次のとおりです。
- ログイン状態、デスクトップWeb、モデルは
gpt-5-6 - メモリ無効、カスタム指示は全項目を空
- 新規チャット。5つの質問を2日間、同じ条件で実行
使った5つの質問です。
SEO対策のツールでおすすめを教えて(無条件)個人ブログでも使えるSEOツールのおすすめは?(条件1つ)月1万円以内・日本語対応・個人事業主向けのSEOツールを3つ挙げて(条件3つ)2026年時点で最新のSEOツールのおすすめは?(時点の指定)AI検索対策(GEO)のツールでおすすめを教えて(新しいカテゴリ)
先に断っておきます。 2日間・5つの質問・1アカウントの記録です。割合の一般化には使えません。「この条件でこう動いた」という観測として読んでください。
条件が増えるほど、候補が入れ替わっていた
Figure
同じカテゴリなのに、残るブランドが変わっていた
無条件
SEO対策のツールでおすすめを教えて
- Ahrefs
- Semrush
- Google Search Console
- Screaming Frog
+個人ブログ
条件を1つ足す
- Google Search Console
- Ahrefs Webmaster Tools(無料版)
- Ubersuggest
- Google Trends
- ラッコキーワード
+月1万円・日本語・個人事業主
条件を3つに増やす
- ラッコキーワード
- Nobilista
- GMO順位チェッカー
- (海外の大手はゼロ)
段階ごとに何が起きていたかを分けて書きます。
無条件 → 条件1つ。 SemrushとScreaming Frogが消えました。残ったのはGoogle Search Consoleだけで、Ahrefsは同じ会社のまま有料の本体から無料版(Ahrefs Webmaster Tools)に置き換わっています。代わりにUbersuggest・Google Trends・ラッコキーワードが入りました。残ったものに共通していたのは、無料で使える枠があることでした。
条件1つ → 条件3つ。 Google Search Consoleも落ちました。残ったのはラッコキーワードだけで、Nobilista・GMO順位チェッカーが入っています。海外の大手は1つも残っていません。
「日本語対応」「月1万円以内」「個人事業主向け」の3つが揃うと、モデルが探しに行く先が国産ツールに切り替わっていました。実際、この質問で引用されたドメインも rakkokeyword.com co.nobilista.com group.gmo kantan.gmo と、すべて日本のドメインでした。
候補が変わると、引用されるサイトも変わる
候補入りは「回答に名前が載るか」だけの話ではありませんでした。どのサイトが読まれ、引用されるかも一緒に動いています。
無条件の質問では引用先が developers.google.com ahrefs.com semrush.com screamingfrog.co.uk でした。条件3つの質問では、そこに1つも重なりません。同じカテゴリの質問なのに、読まれるページの集合ごと入れ替わっています。
日をまたぐと、入れ替わった質問と動かなかった質問がある
同じ5つを翌日にもう一度実行しました。
| 質問 | 9/5 → 9/6 |
|---|---|
| 無条件 | 完全一致(Ahrefs / Semrush / GSC / Screaming Frog) |
| +個人ブログ | 完全一致(GSC / Ahrefs WMT / Ubersuggest / Trends / ラッコ) |
| 2026年時点 | 5つ一致、SE Ranking が追加 |
| +月1万円・日本語 | ラッコ・Nobilista は一致、ミエルカとRank Trackerが消え、GMO順位チェッカーが入る |
| GEO(新カテゴリ) | Profound・Peec・Otterly は一致、AthenaHQ が消え、Scrunch が入る |
英語圏の成熟したカテゴリは、日をまたいでも1つも動きませんでした。 動いたのは、新しいカテゴリ(GEOツール)と、条件が細かい日本語の質問です。どちらも「定番」がまだ固まっていない領域です。
そして動き方には共通点がありました。上位2〜3ブランドは動かず、4番目以降が入れ替わっている。 GEOならProfound・Peec・Otterlyが両日とも入り、4番目だけがAthenaHQからScrunchに変わりました。日本語の質問ならラッコキーワードとNobilistaが不変で、3つ目が入れ替わっています。
Figure
今回の2日間で、動いたところと動かなかったところ
Step 1
成熟した英語カテゴリ
定番4つが両日とも同じだった
ここで落ちると 定番に入っていないと、そもそも土俵に上がれない
Step 2
条件付きの日本語
上位2つは同じで、3つ目が入れ替わった
ここで落ちると 条件を満たす証拠が無いと候補から外れる
Step 3
新しいカテゴリ
上位3つは同じで、4番目が入れ替わった
ここで落ちると 1回の計測では入れ替わりを揺れと区別できない
回答そのものも変わる
候補だけでなく、読者が見る回答も動きました。両日とも完走した3つの質問で比べます。
| 質問 | 9/5 | 9/6 |
|---|---|---|
| +個人ブログ | GSC → ラッコ → Ahrefs → Trends → Ubersuggest | 完全一致(順序も) |
| +月1万円・日本語 | ラッコ → Nobilista → GMO AIかんたん集客 | ラッコ → Nobilista → GMO順位チェッカー |
| GEO | Profound → Peec → Ahrefs → Otterly → Semrush | Otterly → Profound → Semrush → Ahrefs → Scrunch |
GEOの質問では1番目がProfoundからOtterlyに変わり、9/6は「1つだけ選ぶならOtterlyAI」と断定しています。前日に2番目だったPeec AIは回答から消え、代わりにScrunchが入りました。
月1万円の質問では、3枠のうち1枠が別の製品に替わりました。同じGMOでもAIかんたん集客から順位チェッカーへ、ドメインも kantan.gmo から rank-checker.com に変わっています。
提示される価格まで変わる
同じラッコキーワードについて、こう書かれました。
- 9/5「有料プランは月払いで1,320円〜」
- 9/6「現行の月払いではエントリー660円、ライト990円」
660円は公式の年払い時の金額です。9/6の「月払いでは660円」という記述は正しくない可能性が高い。どちらも公式ページに載っている数字ですが、月払いと年払いのどちらを拾うかが日によって変わっていました。
自社の価格がAIにどう説明されているかは、一度確認する価値があります。
この観測から言えること
- 同じカテゴリでも、条件を足すと候補ブランドが入れ替わった
- 無条件と条件3つのあいだで、共通するブランドは1つもなかった
- 候補が入れ替わると、引用されるドメインも入れ替わった
- 5つの質問のうち3つは、日をまたいでも候補が完全一致した
- 動いた2つは、新しいカテゴリと条件の多い日本語の質問だった
- 同じ製品の価格が、日によって違う金額で提示された
2日間・5つの質問・1アカウントの記録です。 同一プロンプトを再実行したときの引用元の重なりは32〜43%、ブランド名は日をまたぐと45〜59%という先行研究があります。1回の結果で判断できません。
ここから何が言えるか
Figure
条件付きの質問で候補に残るために
やること
- 自社カテゴリの質問を「無条件」「条件1つ」「条件3つ」で分けて実行する
- 条件付きで落ちるなら、その条件を満たす証拠を公式ページに書く(料金・対応言語・想定規模)
- 日を空けて複数回取り、割合として記録する
- 回答に出てくる自社の価格が正しいか確認する
やらなくていいこと
- 無条件の質問だけで候補入りを判断する
- 1回の結果で順位が上がった・下がったと判断する
- 成熟カテゴリで定番に割り込むことを短期の目標に置く
無条件の質問で定番4つに入っていない場合、そこを狙うのは長い勝負になりそうです。一方で条件付きの質問では、候補の枠がまるごと入れ替わっていました。「月1万円以内」「日本語対応」「個人事業主向け」で候補に入ったのは国産ツールでした。自社が満たしている条件を、公式ページに書かれた事実として置いておくことが、いま取れる打ち手です。
なお、書いた内容がどう読まれるかは本文の先頭200字で決まります。条件を満たしていても、それがページの先頭に無ければ紹介文の材料になりません。
よくある質問
候補に入るブランドはどこで決まっているのですか
モデルが検索クエリを組み立てる時点です。ユーザーが名前を出していなくても、1本目のクエリに製品名が書き込まれています。検索はその候補を裏取りするために使われていました。つまり検索結果に載ることと、候補に入ることは別の関門です。
条件付きの質問を狙う意味はありますか
今回の観測では、無条件の質問と条件3つの質問で共通するブランドが1つもありませんでした。無条件の定番に割り込めなくても、条件付きの候補には別の枠があるということです。ただし2日間の観測なので、自社カテゴリで同じことが起きるかは自分で確かめてください。
何回測ればよいですか
最低でも日を分けて複数回です。今回、5つの質問のうち2つは翌日に候補が入れ替わりました。1回の結果を見て順位が動いたと判断すると、揺れを施策の効果と取り違えます。同一プロンプトの再実行でブランド名の重なりが45〜59%という先行研究もあります。
自社の価格が間違って説明されていたらどうすればよいですか
まず公式ページの料金表記を確認してください。今回の例では、月払いと年払いのどちらを拾うかが日によって変わり、片方は正しくない可能性の高い金額が提示されていました。月額の条件(年契約か月契約か、税込か税抜か)が1か所で明確に読み取れる書き方になっているかを見直すのが先です。
上位2〜3ブランドが固定なら、後発は無理ということですか
今回の観測ではそう見えた、というだけです。動いたのは新しいカテゴリと条件付きの質問で、いずれも4番目以降が入れ替わっていました。逆に言えば、カテゴリの定義が新しいうちは入れ替わりが起きています。GEOツールの質問では、2日間でAthenaHQが消えてScrunchが入りました。
Sources · 一次情報
この記事は一次情報をもとに作成し、公開前に自動検査を通しています。作成の手順と訂正の方針は運営者情報に記載しています。
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