SEO GEO Lab

SEO・GEO教科書 · Lesson 07

GEO実装:AIクローラーの許可と、引用される形に整える

生成AIに引用されるための実装を、設定と書き方の2つに分けて扱います。OpenAI・Perplexity・Anthropic・Googleの各クローラーをrobots.txtでどう扱うか、ブロックすると何が起きるか、llms.txtの位置づけまでを公式ドキュメントを出典に整理します。

Level 2Lesson 07 / 1016

AI各社のクローラーを意図どおりに扱い、引用されやすい形にページを整えられるようになる。

このレッスンで扱うこと

  • AIの回答に載る2経路と、それぞれに必要な設定
  • 主要なAIクローラーの役割(検索用・学習用)と、robots.txtでの書き分け
  • 各社が公式に説明している「ブロックしたときに起きること」
  • llms.txtと構造化データの位置づけ(Googleが不要と明言している範囲)

2つの経路と必要な設定

生成AIの回答に載る経路は2つあり、必要な作業が違います。Google検索のインデックス経由(AIによる概要・AIモード)は SEOそのもので、追加の設定はありません。AI各社の独自クローラー経由(ChatGPT・Perplexityなど)は、 robots.txtでそのボットを許可していることが前提になります。[出典: AI 機能とウェブサイト]

Figure

経路ごとに、どこで止まるか

Step 1

経路A: Googleのインデックス

Googlebotがクロールし、通常の検索インデックスに登録される。AI機能はここを参照する。

ここで落ちると インデックスされていなければ、AIによる概要・AIモードの参照元にならない。

Step 2

経路B: AI各社のクローラー

OAI-SearchBotなどが個別に巡回し、各社の回答の材料になる。

ここで落ちると robots.txtで拒否していると、その事業者の回答に出ない。

Step 3

共通: 抜き出せる本文

見出しの直下に質問へ直答する段落があり、数値や条件が構造化されている。

ここで落ちると 取得されても、引用できるまとまりが無ければ回答に使われにくい。

経路Aについて、Googleは追加の要件はなく特別な最適化も必要ないと明記しています。[出典: AI 機能とウェブサイト]

つまりGEOの実装作業は、設定(クローラーを止めない)書き方(抜き出せる形にする)の 2つに集約されます。書き方はレッスン05で扱ったので、 このレッスンでは設定を決めます。

AIクローラーの一覧と役割

AI関連のクローラーは、大きく「AI検索の回答に出るためのもの」「モデルの学習に使われるもの」「従来の検索エンジンのもの」に分かれます。同じ事業者でも用途ごとにユーザーエージェント名が分かれていることがあり、そこが書き分けの起点になります。

AI検索の回答に出るため

AIが回答を作るときにページを読み、回答内にリンクを出すためのクローラー。ブロックすると引用されなくなる。

User-agent提供元何をするか拒否すると
OAI-SearchBotOpenAIChatGPTの検索結果にサイトを表示するためのクローラー。学習用のGPTBotとは独立して設定できる。ChatGPTの検索結果に表示されなくなる。
ChatGPT-UserOpenAIユーザーがChatGPTに質問したときに、その場でページを見に行くアクセス。自動巡回はしない。(ユーザー起点のアクセスのため、robots.txt が適用されない場合があると公式に書かれている。)ユーザーがChatGPT上でページを開こうとしても取得できなくなる。
PerplexityBotPerplexityPerplexityの検索結果にサイトを出し、リンクするためのクローラー。基盤モデルの学習には使われない。Perplexityの検索結果に表示されなくなる。
Perplexity-UserPerplexityユーザーの質問に答えるためにページを訪問し、回答にリンクを添えるアクセス。巡回や学習には使われない。回答の中でページが開かれなくなる。
Claude-SearchBotAnthropicClaudeの検索結果の品質を上げるためにコンテンツを解析するクローラー。検索用のインデックスに入らなくなり、Claudeの回答での露出が減る。
Claude-UserAnthropicユーザーがClaudeに質問したときにページへアクセスする。ユーザー起点のアクセスでページを取得できなくなる。
各行は提供元の公式ドキュメントで確認したものです。最新のボット名はAIクローラー確認ツールで確認できます。

検索エンジンのインデックス

従来の検索結果に載せるためのクローラー。Googleの場合はAI Overview・AI Modeもこれで制御する。

User-agent提供元何をするか拒否すると
GooglebotGoogleGoogle検索のクローラー。AI Overview・AI Modeのための別トークンは無く、Googlebotがその制御になる。(検索には載せたうえで引用文だけ抑えたい場合は nosnippet / data-nosnippet / max-snippet を使う。)Google検索に載らなくなる。AI Overview・AI Modeにも出なくなる。
BingbotMicrosoftBing検索のクローラー。Bing検索に載らなくなる。
各行は提供元の公式ドキュメントで確認したものです。最新のボット名はAIクローラー確認ツールで確認できます。

AIモデルの学習に使われる

生成AIの学習データを集めるクローラー。ブロックしても検索結果やAI検索での引用には影響しない。

User-agent提供元何をするか拒否すると
GPTBotOpenAIOpenAIの基盤モデルの学習にコンテンツを使うためのクローラー。OpenAIのモデル学習に使われなくなる。ChatGPTの検索結果への表示(OAI-SearchBot)とは別。
ClaudeBotAnthropicAnthropicの生成AIモデルの学習に使う可能性のあるコンテンツを集めるクローラー。今後のモデル学習データから除外される。
Google-ExtendedGoogleGeminiアプリと Vertex AI 向けの学習・グラウンディングにコンテンツを使うかどうかを制御するトークン。単独のUser-Agent文字列は持たない。(AI Overview・AI Modeへの表示は Google-Extended では止まらない(制御は Googlebot 側)。)Geminiアプリなどの学習・グラウンディングに使われなくなる。Google検索への掲載には影響しない。
Applebot-ExtendedAppleAppleの生成AIモデルの学習にコンテンツを使うかどうかを制御するトークン。Appleの生成AIモデルの学習に使われなくなる。Applebotによる検索用のクロールは続く。
meta-externalagentMetaAIモデルの学習、またはコンテンツのインデックスによる製品改善に使われるクローラー。Metaのモデル学習・インデックスに使われなくなる。
CCBotCommon CrawlCommon Crawlの公開アーカイブを作るクローラー。Common Crawlの公開データセットに含まれなくなる。
各行は提供元の公式ドキュメントで確認したものです。最新のボット名はAIクローラー確認ツールで確認できます。

注意点が2つあります。1つ目は、ChatGPT-UserPerplexity-User のようなユーザー起点のアクセスは、自動巡回ではないためrobots.txtが適用されない場合があると 各社が説明していることです。2つ目は、GoogleのGoogle-ExtendedはGeminiアプリの学習・グラウンディング用のトークンで、 Google検索へのサイトの登録やランキングには影響しないと明記されていることです。[出典: Google の一般的なクローラー]

robots.txtでの書き分け

設定の方針は3つに分かれます。どれを選ぶかは、AI経由の露出をどう扱いたいかで決まります。決めたら、robots.txtに書いてSearch Consoleのrobots.txtレポートで読み取り結果を確認します。

Figure

3つの方針

AI検索には出す/学習には使わせない

もっとも選ばれる設定

  • OAI-SearchBot・PerplexityBot・Claude-SearchBotなどは許可
  • GPTBot・ClaudeBot・Google-Extended・CCBotなどは拒否
  • 回答内での引用は受け入れ、モデル学習からは外れる

すべて許可

露出を最大化する

  • AI検索の引用も、モデル学習も止めない
  • 設定としては最も単純
  • 自社コンテンツが学習に使われることを許容できる場合

AI関連をすべて拒否

AI経由の流入は無くなる

  • 従来の検索エンジンだけを許可する
  • ChatGPTやPerplexityの回答に出なくなる
  • 有料コンテンツや会員向け情報を持つ場合の選択肢
そのままコピーできるrobots.txtのひな形はAIクローラー確認ツールにあります。 自分のサイトのrobots.txtを入力して、いまどのボットを止めているかを確認することもできます。

書き分けができるのは、事業者が用途ごとにボット名を分けている場合だけです。OpenAIの場合、 検索の回答に出したいなら OAI-SearchBot を許可し、基盤モデルの学習に使われたくないならGPTBot を拒否する、という指定ができます。[出典: Overview of OpenAI Crawlers]Perplexityも PerplexityBot の許可を推奨しています。[出典: PerplexityBot]すべての事業者が分離しているわけではないため、各社の公式ドキュメントで現在のボット名を確認してください。

やらなくていいこと

GEOという言葉のまわりには、効果が確認されていない作業が多く流通しています。Googleは公式ドキュメントで、 AI機能に表示されるために新たにコンピュータが解読可能なファイルやAIテキストファイルを作る必要はなく、 特別なschema.orgの構造化データを追加する必要もないと明記しています。[出典: AI 機能とウェブサイト]

Figure

GEOで手を動かす場所

やること

  • robots.txtでAI検索用クローラーを止めていないか確認する
  • 見出しの直下に、質問へ1文で答える段落を置く
  • 数値・条件を表と箇条書きで構造化する
  • 更新日と出典をページ上に表示する
  • アクセス解析でAI検索からの参照を分けて見る

やらなくていいこと

  • AI機能に出るための特別な構造化データを追加する(Googleが不要と明記)
  • llms.txtを設置することを、本文やサイト構造の整備の代わりにする
  • AI向けと称してユーザーに見せない隠しテキストを置く
  • キーワードを詰め込む(生成AIの回答での可視性にほとんど効果がないと報告されている)
よく聞く施策現時点で確認できること扱い
llms.txt の設置コミュニティが提案している任意の仕様。設置すれば引用されるという検索・AI事業者の公式な説明は無い本文やサイト構造の代わりではなく、補助として置くなら可
AI向けの構造化データGoogleは、AI機能に表示されるために特別なschema.orgの構造化データは必要ないと明記不要。構造化データは通常の目的(内容を正確に伝える)で使う
AI可視性ツールでの計測ツールが投げた質問への回答を測るもので、実ユーザーが受け取った回答そのものではない測っているものを理解したうえでなら有用(レッスン08)
引用・統計・出典を本文に足すGEO論文が、引用の追加で最大41%、統計で約32%、出典で約28%の可視性向上を報告優先度が高い。レッスン05の書き方に含まれる
llms.txtの仕様はコミュニティが公開しているものです。[出典: The /llms.txt file]可視性の数値は研究環境での測定であり、各社のサービスが同じ挙動をすることを保証するものではありません。[出典: GEO: Generative Engine Optimization]

引用される形に整える

設定が済んだら、主要ページを引用される形に整えます。作業はレッスン05の書き方と同じですが、ここでは「AIが読む単位」に注目して点検します。

点検する場所満たしている状態直し方
h2直下の段落その見出しの問いに1文で答えている見出しを質問形に直し、答えを冒頭に移動する
指示語「これ」「その」で前を参照していない主語を毎回書き、そのセクションだけで意味が通るようにする
数値の置き場所表か箇条書きになっている文章に埋もれている条件を表に出す
出典の位置その記述の直後にリンクがある末尾の一覧に加えて、本文中にもリンクを置く
更新日ページ上に表示されている公開日と更新日を分けて表示する
用語の定義そのページ内で1度は定義している略語の初出で正式名称と定義を書く

最後に、AI検索からの流入を分けて見られるようにしておきます。Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されたサイトも Search Consoleの検索タイプ「ウェブ」に含まれると説明しているため、AI機能だけを切り出したレポートはありません。 ChatGPTやPerplexityからの流入は、アクセス解析の参照元ドメインで判別します。計測の詳細はレッスン08で扱います。

到達チェックリスト

次の項目を自分のサイトで確認できたら、このレッスンは終わりです。1つでも「まだ」がある場合は、次のレッスンに進む前にそこを埋めてください。

  • robots.txt を開き、OAI-SearchBot・PerplexityBot・Claude-SearchBotなどの扱いを把握した
  • 検索用クローラーと学習用クローラーのどちらを許可するかを方針として決めた
  • 主要ページの各見出し直下に、質問へ1文で答える段落を置いた
  • 更新日と出典をページ上に表示している
  • AI検索からの流入を、アクセス解析の参照元で分けて見られるようにした

よくある質問

AIクローラーをブロックすると何が起きますか

ボットごとに影響が異なります。OpenAIは、OAI-SearchBotを拒否したサイトはChatGPTの検索の回答に表示されないと説明し、GPTBotの拒否は基盤モデルの学習からの除外を意味するとしています。PerplexityもPerplexityBotの許可を推奨しています。GoogleのGoogle-ExtendedはGeminiアプリの学習・グラウンディング用のトークンで、Google検索へのサイトの登録やランキングには影響しないと明記されています。

学習には使われたくないが、AI検索には出たい場合はどうしますか

検索用のクローラーと学習用のクローラーが別のユーザーエージェント名で分かれている事業者では、書き分けができます。OpenAIの場合、検索の回答に出したいならOAI-SearchBotを許可し、基盤モデルの学習に使われたくないならGPTBotを拒否する、という指定が可能です。すべての事業者が分離しているわけではないため、各社の公式ドキュメントで現在のボット名を確認してください。

llms.txtを置けばAIに引用されますか

llms.txtはコミュニティが提案している任意の仕様で、設置すれば引用されると保証する検索エンジンやAI事業者の公式な説明はありません。Googleは、AI機能に表示されるために新しいAIテキストファイルを作る必要はないと明記しています。設置する場合は、本文やサイト構造の代わりではなく補助として扱うのが安全です。

GEO専用の構造化データはありますか

ありません。Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために、新たにコンピュータが解読可能なファイルやAIテキストファイルを作る必要はなく、特別なschema.orgの構造化データを追加する必要もないと明記しています。構造化データは、あくまでページの内容を正確に伝えるために使います。

Sources · 一次情報