SEO・GEO教科書 · Lesson 08
計測と改善サイクル:何を見て、いつ判断するか
順位チェックツールの体感ではなく、Search Consoleの数値で判断するための手順です。見る順番(表示回数→クリック→順位)、インデックス状況の読み方、AI検索からの流入の測り方、4週間サイクルでの判断基準を扱います。
施策の効果を数値で確認し、続けるか畳むかを自分で判断できるようになる。
このレッスンで扱うこと
- 検索パフォーマンス・ページインデックス登録・URL検査の3画面の役割
- 表示回数・クリック数・CTR・平均掲載順位を見る順番
- AI検索(AIによる概要/AIモード、ChatGPT、Perplexity)からの流入の測り方と限界
- 4週間サイクルで判断し、効果の出ない施策を畳む基準
見る順番:表示回数が先
施策の効果は、順位ではなく表示回数から見ます。表示回数が増えているなら、まだクリックされていなくてもインデックスと関連性は前進しています。順位を先に見ると、まだ動くはずのない段階で「効いていない」と判断してしまいます。
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効果を確認する順番
Step 1
① 表示回数
インデックスされ、クエリとの関連ありと判断されているか。ここが動かなければ、次の指標を見ても意味がない。
ここで落ちると そもそも検索結果の対象になっていない。技術的な問題を疑う。
Step 2
② クリック数とCTR
検索結果の中で選ばれているか。表示回数があるのにCTRが低ければ、タイトルと説明文の問題。
ここで落ちると 表示はされるが選ばれていない。本文ではなくタイトルを直す。
Step 3
③ 平均掲載順位
①と②が動いたうえで、順位が上がっているかを見る。単独では判断材料にしない。
ここで落ちると 順位だけを見て、上の2段階の問題を見落とす。
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判断に使う数値/使わない数値
やること
- Search Consoleの表示回数・クリック数・CTR・平均掲載順位
- インデックス登録済みページ数の推移
- PageSpeed Insightsのフィールドデータ(実際のユーザーの環境)
- アクセス解析の参照元ドメイン(AI検索からの流入)
やらなくていいこと
- 順位チェックツールの日々の上下(端末・地域・パーソナライズで変わる)
- 自分で検索したときの見え方(自分の検索履歴が反映される)
- PageSpeed Insightsのラボデータのスコアだけ
- SNSでの「順位が上がった/下がった」という報告
Search Consoleの3画面
日常的に見るのは3画面です。「検索パフォーマンス」で推移を、「ページ」でインデックス登録の状況を、「URL 検査」で1ページずつの登録可否を確認します。
検索パフォーマンス:推移とクエリ
Figure
Search Console「検索パフォーマンス」で見る4つの数値
search.google.com/search-console/performance
検索パフォーマンス
検索タイプ: ウェブ日付: 過去 3 か月間合計クリック数
1,2841
合計表示回数
42,9102
平均CTR
3.0%3
平均掲載順位
18.44
| 上位のクエリ | クリック数 | 表示回数 | CTR | 掲載順位 |
|---|---|---|---|---|
| seo 対策 とは | 312 | 9,840 | 3.2% | 8.1 |
| geo 生成ai 最適化 | 204 | 6,120 | 3.3% | 12.4 |
| search console 使い方 | 168 | 11,300 | 1.5% | 24.7 |
| core web vitals 基準 | 96 | 4,410 | 2.2% | 19.2 |
- 1クリック数=検索結果から実際に訪問された回数。施策の最終的な成果はここで見る。
- 2表示回数=検索結果に出た回数。ここが増えていれば、まだクリックされていなくてもインデックスと関連性は前進している。
- 3CTR=クリック数 ÷ 表示回数。表示回数が多いのにCTRが低いページは、タイトルと説明文が検索意図に答えられていない。
- 4掲載順位=表示されたときの平均順位。ページ単位で見ると、あと少しで1ページ目に届くページが見つかる。
- 5「クエリ」タブ=実際に検索された語。表示回数はあるのに答えるページが無い語が、次に作るページの候補になる。
期間を直近28日にし、前年同期または前の期間と比較します。全体の推移だけでなく、ページ別とクエリ別を必ず開いてください。全体が横ばいでも、 伸びているページと落ちているページが打ち消し合っていることがあります。[出典: 検索パフォーマンス レポート]
ページ(インデックス登録):登録されているか
Figure
Search Console「ページ」で見るインデックス登録の状況
search.google.com/search-console/index
ページのインデックス登録
インデックスに登録済みのページ
128
未登録のページ
342
ページがインデックスに登録されなかった理由3
| 理由 | ページ数 |
|---|---|
| 検出 - インデックス未登録 | 184 |
| クロール済み - インデックス未登録 | 96 |
| 代替ページ(適切な canonical タグあり) | 42 |
| noindex タグによって除外されました | 14 |
| 見つかりませんでした(404) | 6 |
- 1「インデックスに登録済み」=検索結果に出る可能性があるページ数。ここに重要なページが入っていなければ、順位以前の問題。
- 2「未登録」は全部が不具合ではない。タグ一覧やパラメータ違いのURLも入るため、件数ではなく理由の内訳で判断する。
- 3理由ごとの意味は下の表のとおり。まず「クロール済み - インデックス未登録」と「noindex タグによって除外されました」を確認する。
検出 - インデックス未登録 … URLは見つかったがまだクロールされていない。サイト全体の負荷や優先度の問題が多い。
クロール済み - インデックス未登録 … 取得はされたが登録されていない。内容の薄さ・重複が疑われる。
代替ページ(適切な canonical タグあり) … 別URLを正規と判断した状態。意図通りなら対応不要。
noindex タグによって除外されました … 意図した除外か、設定ミスかを必ず確認する。
見つかりませんでした(404) … 削除済みなら問題ない。移動なら301で転送する。
「未登録」の件数そのものは問題ではありません。タグ一覧やパラメータ違いのURLも未登録に入るためです。 見るのは内訳で、公開したいページが「クロール済み - インデックス未登録」や 「noindex タグによって除外されました」に入っていないかを確認します。[出典: ページ インデックス登録レポート]
URL 検査:1ページの状態を確定させる
Figure
Search Console「URL 検査」で1ページずつ確認する
search.google.com/search-console/inspect
URL は Google に登録されています1
このページは検索結果に表示される可能性があります(拡張機能とセキュリティの問題がない場合)。
- 1ページを直したあと、そのURLが登録されているかを1本ずつ確認できる。ここが「登録されていません」なら、順位ではなくインデックスの問題。
- 2Googleが選んだ正規URL(canonical)が自分の指定と違う場合、評価は別URLに寄っている。重複ページの統合はここで気づく。
- 3「インデックス登録をリクエスト」は再クロールの依頼で、登録も順位も保証されない。大量のURLにはサイトマップを使う。
個別ページの問題を切り分けるときに使います。とくに「Googleが選択した正規URL」は、 自分が意図したcanonicalが採用されているかを確認できる唯一の場所です。[出典: URL 検査ツール]
AI検索からの流入を測る
Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されたサイトも、Search Consoleの検索タイプ「ウェブ」の パフォーマンスレポートに含まれると説明しています。つまり通常の検索と合算されており、 AI機能だけを切り出したレポートは提供されていません。[出典: AI 機能とウェブサイト]
| 測りたいもの | どこで見るか | 限界 |
|---|---|---|
| AIによる概要・AIモードからの流入 | Search Consoleの検索タイプ「ウェブ」(通常の検索と合算) | AI機能だけを分離できない。合算値の変化として観察するしかない |
| ChatGPTからの流入 | アクセス解析の参照元ドメイン(chatgpt.com など) | 回答内で引用されたが、クリックされなかった分は測れない |
| Perplexityからの流入 | アクセス解析の参照元ドメイン(perplexity.ai など) | 同上 |
| AIの回答に自社が出た割合 | AI可視性ツール(Semrush、Ahrefsなど) | ツールが投げた質問への回答であり、実ユーザーが受け取った回答そのものではない |
| AIクローラーの巡回状況 | サーバーのアクセスログ(User-agentで絞る) | ログを取得・保存できる環境が必要 |
AI可視性ツールを契約する場合、確認すべきなのは自分で決めた質問を追跡できるか(カスタムプロンプトに対応しているか)です。 ツールが用意した汎用の質問だけでは、自社が本当に出たい場面での可視性は測れません。 ツールの比較はツール一覧にまとめています。
4週間サイクルで判断する
毎日見ても判断はできません。Search Consoleのデータには遅延があり、Core Web Vitalsのフィールドデータは28日間の集計です。判断は4週間ごとに行い、その間は施策を変えないのが基本です。
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4週間の運用サイクル
- 1
0日目: 施策を1つ決めて実行する
同時に複数の施策を打たない。打つ場合は、どの施策が効いたか分からなくなることを承知のうえで行う。
- 2
0日目: 開始日と対象ページを記録する
実行日・対象URL・変更内容・開始時点の数値をメモに残す。
- 3
7日目: 技術的な反映だけ確認する
URL検査で、変更が読み取られているかを見る。数値の判断はまだしない。
- 4
28日目: 数値を比較する
表示回数 → クリック数 → 順位の順に、開始時点と比較する。
- 5
28日目: 続けるか畳むかを決める
表示回数がまったく動いていなければ、前提(インデックス・意図の対応)を疑う。
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施策ごとに、効果が見え始めるまでの目安
技術的な修正(noindex解除・canonical修正)
数日〜数週間
構造化データの追加
再クロール後に表示が変わる
Core Web Vitalsの改善
フィールドデータは28日間の集計
既存ページの本文改善
1〜3か月
新規ページの追加
インデックス登録から評価まで
外部からの参照の増加
3か月〜
施策を畳む基準
効果の出ない施策を続けることが、この分野で最も多い時間の浪費です。畳む基準をあらかじめ決めておき、28日目にその基準で判断します。
| 28日後の状態 | 判断 | 次にやること |
|---|---|---|
| 表示回数が増えている | 続ける | 同じ施策を他のページにも展開する |
| 表示回数は横ばい、CTRが上がった | 続ける | タイトルの改善が効いている。他ページのタイトルも見直す |
| 表示回数が横ばいで、CTRも変わらない | 前提を疑う | URL検査でインデックス状況を確認する。登録されていなければ施策の問題ではない |
| 表示回数が落ちた | 原因を切り分ける | 技術的な問題 → 手動による対策 → 季節性 → アルゴリズム更新の順に確認する(レッスン10) |
| サイト全体で急落した | 施策と無関係の可能性 | Googleの手順に沿ってデバッグする。個別ページの施策を疑う前にサイト全体を見る |
次のレッスンでは、ここまでの作業について「実際にやった結果、何が起きたか」が公開されている事例を、 一次情報つきでまとめて見ていきます。
到達チェックリスト
次の項目を自分のサイトで確認できたら、このレッスンは終わりです。1つでも「まだ」がある場合は、次のレッスンに進む前にそこを埋めてください。
- 検索パフォーマンスで、直近28日と前年同期を比較できる状態になっている
- 主要ページごとの表示回数・クリック数・CTRを一覧にできた
- インデックス登録レポートの「未登録」の内訳を確認し、公開したいページが混ざっていないことを確認した
- アクセス解析で、ChatGPTやPerplexityからの参照を分けて見られるようにした
- 施策ごとに開始日をメモし、4週間後に見直す予定を入れた
よくある質問
順位チェックツールとSearch Consoleのどちらを信じればよいですか
判断にはSearch Consoleを使います。順位チェックツールが返すのは特定の条件で取得した1つの順位で、実際のユーザーが見る検索結果は端末・地域・パーソナライズによって変わります。Search Consoleの平均掲載順位は、実際に表示された結果の平均なので、自サイトの状況としてはこちらが実態に近い数値です。
AIによる概要やAIモードからの流入はどこで見られますか
Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されたサイトも、Search Consoleの検索タイプ「ウェブ」のパフォーマンスレポートに含まれると説明しています。つまり通常の検索と合算されており、AI機能だけを切り出したレポートは提供されていません。ChatGPTやPerplexityからの流入は、アクセス解析の参照元ドメインで判別します。
AI可視性ツールは契約すべきですか
測っているものを理解したうえでなら有用です。これらのツールが測るのは、ツールが投げた質問に対する回答であり、実ユーザーが受け取った回答そのものではありません。契約前に、自分で決めた質問を追跡できるか(カスタムプロンプトに対応しているか)を確認するのが実務上の分かれ目になります。
効果が出ない施策はいつ畳めばよいですか
当サイトの整理では、技術的な修正は数週間、コンテンツの改善は1〜3か月を見て、表示回数がまったく動かなければ前提を疑います。順位そのものではなく表示回数を先に見るのは、表示回数が増えていればクリックされていなくてもインデックスと関連性は前進しているためです。Googleは効果が出るまでの期間を保証していません。
Sources · 一次情報
- 検索パフォーマンス レポート(検索結果)(Search Console ヘルプ)
- ページ インデックス登録レポート(Search Console ヘルプ)
- URL 検査ツール(Search Console ヘルプ)
- AI 機能とウェブサイト(Google 検索セントラル)
- 検索トラフィックの減少をデバッグする(Google 検索セントラル)
- Google 検索の基本事項(Google 検索セントラル)